1,000ccのバイクは「リッターバイク」と呼ばれています。
具体的にはこの辺りのモデルですね。
- HONDA CB1300SF
- YAMAHA XJR1300
- SUZUKI GSX1300R隼
- KAWASAKI Ninja 1000
- ハーレーダビッドソン XL1200T
- BMW R1250GS
リッターバイクはいつの時代も憧れの存在。大型二輪免許を取得した人にしか味わえない世界が、そこには広がっています。
そこで今回は、そんな1000ccバイク・リッターバイクの魅力をメリット・デメリットに分けて紹介します。最後に人気のリッターバイクもあわせて紹介します。
「1000ccのバイクってどうなの?」と迷っている人の参考になれば幸いです。
1000ccバイクの魅力はクルマ並みの「パワー」だ|リッターバイクのメリットとデメリットを比べてみる
1000ccバイクのメリット ~大排気量の魅力がいっぱい!
コンパクトカー並のパワーが二輪で楽しめる
まず言いたいのは「排気量」について。1,000ccバイクは軽自動車(660cc)よりも排気量が大きいです。
つまりコンパクトカーのエンジンが、二輪車に搭載されたイメージなんですよねリッターバイクって。
軽自動車のスペックと1000㏄バイクのスペックを比較してみます。軽自動車の例として「スイフト」のスペックを参考値に使います。
SUZUKI スイフトRSt
排気量:996cm3
最高出力(kW(PS)/rpm):75<102PS>/5,500
最大トルク(N・m(kgf・m)/rpm:150<15.3kg・m>/1,700-4,500
HONDA CBR1000RR
排気量:999cm3
最高出力(kW(PS)/rpm):141(192)/13,000
最大トルク(N・m(kgf・m)/rpm:114(11.6)/11,000
トルクはさすがに自動車のスイフトの方が上ですが、最高出力(馬力)に関してはCBR1000RRの方が上です。
つまり、アクセルをひねればすぐにスピードが出やすいので(一気に加速しやすい)、スイフトと比較すると、高速道路などでの追い越しがしやすい、ということになります。
まあ実際には車両重量や風の抵抗などが影響してくるので、単純な数値の比較はできませんがね。とは言え、自動車に匹敵するパワーを秘めているのがリッターバイクだということはお分かりいただけると思います。
大排気量ならではの重厚感・トルク感が味わえる
1000ccバイクは、中型バイクと比較すると大排気量ならではの重厚感・トルク感が味わえます。
たとえば、400cc・1100ccのラインナップがあるドラッグスターで、スペックや全体的な装備を比較してみましょう。
ドラッグスター400
車格(全長・全幅・全高)(mm):2340・840・1065
車両重量:234kg
馬力:30
最大トルク:31
- 車格は1100と比較して小さい。
- 女性でもなんとか扱える重さ。
- 重くて馬力が小さいので、初速が遅い。坂道はきつい。
- エンジン周りの部品は、全体的にプラスチック感がある。
ドラッグスター1100(スタンダード)
車格(全長・全幅・全高)(mm):2405・895・1095
車両重量:278kg
馬力:60
最大トルク:82
- 車格は400と比較して、若干大きい。
- 重量が結構重い。成人男性でも取り回しがきつい。
- トルク、馬力ともに2倍以上あるので、加速が良い。坂道も楽々。
- エンジン周りの部品は、金属・アルミ製が多い。
- パーツが豊富でカスタムしやすい。
排気量が上がれば、当然パワーも上がるので、中型と比較すれば坂道も楽になります。
また大型の方が細部の作りが丁寧で、使用される素材もアルミや金属製が多くなるのです!
1000ccバイクのデメリット|よく言われるのは「重量」と「維持費」
重すぎて取り回しできないのでは?
リッターバイクの車両重量は、小型・中型と比較しても、重くなる傾向があります。
しかし、リッター超えのバイクでも、中型並に軽いものもありますのでご安心ください!
(例)
・HONDA CBR1000RR
車両重量:194kg
・SUZUKI SV1000
車両重量:186kg
中型の平均車両重量が「200kg前後」ですから、比較すれば軽いのがわかりますね。
足つきが悪くなる?
排気量が大きくなれば、シートも高くなって、足つきの心配をする方もいます。
しかし、ご安心ください。シート高は中型とそこまで変わりません。
大型バイクの教習車である「NC750L」のシート高は「770mm」。
中型バイクの教習車である「CB400SF」のシート高は「750mm」。
およそ20mmの違いしかありませんから、極端に高くなる!なんてことはありません。
とくにアメリカンタイプならシート高が低いので、足つきが気になる人には最適ですよ。
(例)
・KAWASAKI バルカン1500クラシック
シート高:700mm
・HONDA ゴールドウイング
シート高:725mm
大型だから維持費が高くなるのでは?
確かに、大型は中型や小型と比較して燃費が悪くなる傾向にあるので、ガソリン代はかさみます。
しかし、自動車税は中型と同じ、年額6,000円。また車検の税金も、251cc以上は全て同じです。
任意保険料も、400ccとさほど変わりません。任意保険の金額は、250ccを堺にして金額が大きく変わるからです。
「部品代やメンテナンス代が高いのでは?」と心配される方もいると思います。
確かに、タイヤサイズが太くなる分金額も大きくなりますし、必要となるエンジンオイル量も多くなるので、部品代はかさみます。
しかし、消耗品は結局のところ、乗り方によります。毎日通勤に使っている中型バイクなら、消耗が速くなるので、メンテナンス代がかさみます。一方、大型バイクでも休日のツーリングにしか使用しなければ、消耗が抑えられます。
部品代については、安いパーツに替える・定期的なメンテで良好な状態を保つようにする、といった工夫で節約することができますよ!
人気の1000ccバイクをご紹介!
HONDA CB1300SF
車格(全長・全幅・全高)(mm):2200・795・1110
車両重量:267kg
シート高:780mm
最高出力(KW/rpm):74(101PS)/7000
最大トルク(N・m/rpm):115(11.7kgf・m)/5500
リッターバイクの人気ネイキッドスポーツといえば、やはりCB1300SFですよね~。
風格のある大きなボディ! 排気量並の大きなトルク感! それでいて扱いやすい素直な操作性! このあたりが人気の秘密ですかね。まさにリッターバイクネイキッドの王様です。
取り回しは、確かに重いので大変です。ただ全体としては低重心設計なのでコツを掴めば大丈夫。足つきも良好なので初めての大型バイクにもピッタリだと思います。
YAMAHA XJR1300
XJR1300[生産終了] – ヤマハ バイク ブログ|ヤマハ発動機株式会社
車格(全長・全幅・全高)(mm):2175・765・1115
車両重量:245kg
シート高:795mm
最高出力(KW/rpm):74(101PS)/8000
最大トルク(N・m/rpm):108(11kgf・m)/6000
「ぺけじぇーあーる」の名称でも親しまれているXJR1300。
初心者によくおすすめされる大型バイクのひとつですね。
一度乗り出せば重さを感じさせないほどの軽快なハンドリングに、やみつきになる人も多いです。ワイルドな排気音と振動に「これぞ大型!」という満足感を得られるはず! これがリッターバイクかという感じ。
で、なによりもシンプルながらに洗練されたデザインが多くの人の心を掴んでいます。
SUZUKI GSX1300R隼
車格(全長・全幅・全高)(mm):2190・735・1165
車両重量:266kg
シート高:805mm
最高出力(KW/rpm):145(197PS)/9500
最大トルク(N・m/rpm):155(15.8kgf・m)/7200
リッターバイク最速といえば「隼」を思い浮かべる方が多いのでは?
そのネームバリューは絶大で、所有するだけでも満足できること間違いなし!
高速道路では余裕の持った走行ができます。むしろパワーを持て余してしまうほど。
大型バイクの加速を求める人、ネームバリューが欲しい人にはまさにぴったりな、世界最速のバイクです!
KAWASAKI Ninja 1000
Ninja 1000 | 株式会社カワサキモータースジャパン
車格(全長・全幅・全高)(mm):2100・790・1185
車両重量:235kg
シート高:815mm
最高出力(KW/rpm):104(141PS)/10000
最大トルク(N・m/rpm):111(11.3kgf・m)/7300
Ninjaといえば250や400が有名ですが、リッターバイクのNinjaも人気があります。
ツアラーなので「前傾姿勢がキツイ」なんてことはありません。
とてもトルクフルなので扱いやすく、カウルがあるので高速道路も疲労が溜まりにくいです。
とても素直で曲がりやすいので、大型に慣れていない人でも安心して乗りこなせるでしょう!
ハーレーダビッドソン XL1200T
スポーツツアラー XL1200T スーパーロー [ハーレーダビッドソン] All About
車格(全長・全幅・全高)(mm):2210・850・1300
車両重量:274kg
シート高:705mm
最大トルク(N・m/rpm):87/3750
リッターバイクでなんと言っても外せないのが「ハーレー」。デカいバイクと言えば憧れのハーレーですよ。
XL1200Tはツアラー仕様となっていて、ゆったりとしたクルージングが楽しめます。大きなウインドスクリーンやサドルケースも装着できるので、シートも調節可能。まさに長旅にはピッタリですね!
もちろん、ハーレー特有の「ドコドコ感」も健在。ハーレーと言えばあのドコドコ音だよなあ。見た目もスタイリッシュなので、周囲からの注目の的になるかも! ひと目で分かるよ、ハーレーは。
BMW R1250GS
車格(全長・全幅・全高)(mm):2210・850・1300
車両重量:274kg
シート高:705mm
最大トルク(N・m/rpm):87/3750
BMWのRシリーズといえば、ネイキッドの中でも安定した走行が楽しめるシリーズです。
DBC(ダイナミック・ブレーキ・コントロール)やHSC Pro(ヒル・スタート・コントロール)といった、最新技術が搭載されています!
市街地はもちろん、オフロードから高速道路まで活躍してくれる、マルチなバイクなのです!
まとめ
以上、1000ccバイクのメリット・デメリット、人気の1000ccバイクをご紹介しました。
リッターバイクの特徵といえば、やはりその存在感です。小型・中型にはないオーラがあり、乗る人の心も満たしてくれます。パワーにも余裕がありますから、長旅でも疲れにくく、ツーリングを楽しめることでしょう。
「リッターバイクに憧れているけれど、大型免許がない…」なんて方は、大型免許にチャレンジしてみるのも良いでしょう!そこにはきっと、今まで知らなかった世界が広がっていますよ。