400ccバイクに乗りたい人にとって、「普通自動二輪免許」はもっともポピュラーな免許です。
どんな免許の取り方があるのか、どんな課題があるのか、費用はどれくらいかかるのか。
今日はこの辺りを解説します。
バイクに乗りたいと思ったら、自動車の免許だけでは、公道を運転することはできません。
最もポピュラーで取得率の高い二輪免許。それが「普通自動二輪」免許です。「普通自動二輪」を取得することによって、400ccまでのバイクに乗車することが可能となります。
普通自動二輪免許はどのように取得すればいいのか。実際の試験ではどのような課題があるのか、初心者の皆さんは気になるところだと思います。
私の実体験をお話しします。
「バイクライフを楽しみたい!」と思い始めた初心者の方の参考になれば幸いです!
400ccバイクの免許は取るのが難しいのか?
400ccバイクに乗れる普通自動二輪免許とは?
バイクに乗ることができる免許には、おおよそ3種類あります。(※50ccの原付免許を除く)
二輪免許の種類
小型限定普通自動二輪免許 | 125cc以下まで運転可能 |
---|---|
普通自動二輪免許 | 400cc以下まで運転可能 |
大型自動二輪免許 | 全ての排気量が運転可能 |
この中で、免許取得率が最も多く、人気のあるのが「普通自動二輪」免許です。
バイクの免許を取ろう!と思った人が、最初に目指す免許である、ということですね。
両眼視力が0,7以上(片眼で0.3以上)あり、16歳以上であれば、誰でも取得することは可能です(ただし、免許取消処分、取消処分者講習を受講していない人などは、取得できません)。
普通自動二輪免許には、「AT限定普通自動」免許もあります。こちらは、AT限定で400ccまでのバイクに乗ることができます。
ちなみに125cc以下に乗れる「小型限定」免許は、「普通自動二輪」免許の区分になりますが、小型に限定する、という意味になります。
ですから、免許証の種類には「普自二」が表示されますが、条件等に「小型に限る」の文面が記載される形になります。
普通自動二輪免許の取得方法は2つ!
普通自動二輪免許を取ろう!と思ったら、その取得方法は主に2つです。
- 運転免許試験場の一発試験に合格する方法
- 教習所に通って実技試験を合格し、試験場で手続きをする
以下、それぞれの取得方法について解説します。
【1】運転免許試験場の「一発試験」という方法
メリット
- 費用が安い
- 試験から免許発行まで1日でスムーズに終わる
デメリット
- 合格の難易度が高い
- 落ちると再受験が必要となり、場合によっては教習所より高額になることも
「一発試験」まとめ
よく「一発試験」と言われている取得方法です。最大のメリットは、1回の費用が安く、手続きが楽なこと。
費用は、1回の受験手数料が6,500円程度です。ただし合格したあとに講習受講料として16,000円ほど必要となります。
また、免許証発行までの全ての手続が1日で終わらせることができますから、合格できれば時間と労力を短縮することが可能です。
しかし、一発試験はとても難易度が高いです。教習所での試験よりも、判定がとても厳しいのです。
事実、普通自動二輪の一発試験合格率は、なんと5%以下!平均受験回数で10回以上も受けている人もいるほどです。(参考:普通二輪免許の一発試験合格率 | 一発試験ロードマップ)
【2】教習所に通って免許取得する方法
メリット
- バイクの乗り方をしっかりと指導してくれる
- 講習をしっかりこなして卒検に合格すれば、大体の人が免許取得可能
デメリット
- 費用や時間がかかる
- 卒検に合格しても免許がもらえるわけではない
「教習所」まとめ
多くの方は、こちらの取得方法を選択しています。
なによりも、教官がしっかりと指導してくれるのは大きなメリットです。バイクは事故に遭うとリスクが大きいですから、教習所内で乗り方をしっかりとマスターするのが、一番安全です。
教習所によりますが、費用がかかります。だいたい10万円前後が相場です。
講習時間は、免許を所有しているか、MTかATか、などで変化します。
普通自動二輪(MT)
技能(時間) | 学科(時間) | 合計(時間) | |
---|---|---|---|
免許 なし | 19 | 26 | 45 |
普通自動車免許 有り | 17 | 1 | 18 |
普通自動二輪(AT限定)
技能(時間) | 学科(時間) | 合計(時間) | |
---|---|---|---|
免許 なし | 15 | 26 | 41 |
普通自動車免許 有り | 13 | 1 | 14 |
(参考:二輪車の時限一覧 | 中部日本自動車学校)
教習所のデメリットは、一発試験と比較すればお金がかかります。入校時の申し込み時点で、最低でも10万円ほどは必要となります。
もしも講習や卒業検定に落ちれば、追加の料金を払う場合があります(教習所によっては、講習に落ちても料金がかからないコースもあり)。
おすすめは「教習所に通って取得する」方法!
ほぼ確実に免許が取得できるので、教習所に通って免許取得する方法が無難です。
とくにバイク初心者は、教習所にて運転の仕方や交通ルールを学べます。たとえ失敗しても、命に関わるケースは少ないので、安全かつ確実な方法である教習所を選択しましょう!
バイクの教習では、どんな課題があるの?
教習所で実際に通う際、教習内容にはどのような課題があるのか、気になりますよね。
以下、教習所で課される主な課題について、筆者の体験も元にご紹介していきます。
一本橋
二輪免許の試験でのみ課される課題です。
「一本橋」といっても、本当の橋の上を渡るわけではありません。一本の鉄板の上を、ゆっくり進むだけ。
渡り切るまでの時間制限が設けられていますが、早く通り過ぎれば減点になるだけで、一発で失格になるわけではないです。「落ちる!」と思ったら一気に渡り切るのがコツです。
坂道
坂の途中で停止し、そこから発進して坂を登る課題です。
実はこの課題、簡単そうに見えますが、苦労する方が多いです。クラッチとアクセルを同時に操作しながら、後ろに下がらないようにアクセルを調整する必要があるから。
筆者の体験談として、坂道で一番苦労しました。この課題だけで、追加講習を5時間くらい受けることに……。
通常の発進よりもアクセルをひねりながら半クラッチで進むのがポイントです。
スラローム
等間隔に並べられたパイロンの間を左右にくぐり抜ける課題です。
バイクを倒しながら進んでいくので、初心者にとっては難しく感じると思います。
通り抜けるまでの時間制限がありますが、こちらも一本橋と同様、減点になるだけです。
むしろパイロンにあたってしまえば一発で失格となりますから「いかにパイロンに当たらずに進めるか」がポイントでしょう。筆者はそれだけを意識して、スラロームを攻略しました。
急制動
普通自動二輪の場合、40km以上の速度で進み、制動開始地点に突入したらブレーキをし、11m先までに止まる課題です(雨天時は14mまで)。
慣れていないと、ブレーキを強く握りすぎてしまい、停止した際によろけて転倒する方が多いと思います。停止位置である11mまでは、実はそこそこ余裕があります。
ブレーキを急に握らず、じわじわと握りながら停止位置を調整していくのがベストです!
「課題」まとめ
以上、二輪免許の教習における主な課題をご紹介しました。
他にも、「踏切」「信号」「右左折」など、普通自動車の試験でもおなじみの課題もあります。
バイクは自動車の試験と違い、教習所の外に出ることはありません。公道でのマナーなどは、学科のシミュレーションで学ぶことになります。
講習を受けているときは、なるべく多くミスしておくことをおすすめします。
とくに、転倒した際にバイクを一人で引き起こせるよう、マスターしておきましょう。公道でいざ転倒した際に、自力で起こせないと危険ですよ!
バイク免許を取得する前に用意しておきたいモノ
普通自動二輪免許を取得したい!と思い立ったのなら、教習所に申し込むことはもちろんですが、必要となるものを用意するのも大事です。
後に自分のバイクを購入する予定なら、なおさら自分のものを購入しておきましょう!
ヘルメット
教習所によっては、備品で用意されているところもあります。
ですが、サイズが合うものが少なかったり、他の人も利用するので、清潔感が気になるところ。
たとえ備品で用意してあっても、自分用のを購入しておくことをおすすめします。
ヘルメットには、「フルフェイス」・「ジェット」・「システム」など、さまざまな種類があります。
おすすめなのは、顔全体を覆ってくれるフルフェイス。今後も使っていくことを考えると、安全性が一番高いフルフェイスを買っておくと安心です。
息で曇りやすいのが気になるのであれば、ジェットもおすすめです。顎の部分がないので、息苦しさが軽減されます。
グローブ
ほとんど教習所では、自分で用意するように指示されるかと思います。
夏ならメッシュ、冬なら二重層のグローブをおすすめします。なるべくお店で試着し、サイズに違和感がない・しっくりとくるものを選ぶようにしましょう。
靴
普段履いている運動用シューズでも問題ありません。ただし、クラッチ操作で左足の甲が傷つきやすいので、注意が必要です。
背が低い・足が平均よりも短い、などで足つきが不安なら、厚底ブーツをおすすめします。
まとめ
400ccバイクに乗るためには、一発試験で合格するか、あるいは教習所にて実技試験に合格して免許を更新する必要があります。
初心者にとっては一発試験のハードルが高すぎるので、教習所に申し込み、しっかりと教わりながら免許を取得するのが、確実かつ安全です。
教習所での課題は、S字や踏切など自動車でも課されるものや、一本橋やスラロームといったバイク独自の課題もあります。最初は難しいかもしれませんが、教官に教わりつつ、身体でコツを掴むのがポイントですよ!
免許を取得したいと思ったのなら、必要となるアイテムは、なるべく自分で購入するようにしましょう。自分で使い馴染んだグッズなら、いざ公道に出ても違和感は少ないです。とくにグローブは、使い慣れたものほど操作性も上がりますよ。
普通自動二輪免許を取得して、素敵なバイクライフを楽しみましょう!