「タイヤが消耗している!」と気づいたら、早いうちにタイヤ交換をしましょう。
もしもタイヤの溝がない状態で使い続けてしまうと、雨の日にスリップしやすくなったり、ハンドルが効きにくくなったりと、とても危険です。
タイヤ交換の方法には、「店舗に依頼する」「自分でやる」の2通りがあります。はたしてどちらの方法が良いのか、自分でやるならどのようにやるのか、などが気になりますよね。
ここでは、バイクのタイヤ交換の時期や、店舗で依頼した場合・自分で交換する場合について、詳しく解説していきます。
バイクのタイヤ交換は「自分で」やるべきか「お店に」頼むべきか|それぞれのやり方と費用を比較してみた
バイクのタイヤ交換はいつ頃がベスト?
スリップサインは交換のサイン
タイヤの溝が約0.8mm以下になると、「スリップサイン」が出てきます。
スリップサインとは、タイヤ側面の「三角マーク」付近にある、少し盛り上がった部分のことです。この部分がはっきりと見える状態(タイヤの溝と同じ高さになっている状態)が、交換のサインとなります。
スリップサインがある状態では車検も通りませんから、すぐに交換するようにしましょう!
タイヤの劣化によるしわ・ひび割れも要注意
ゴムは、水分・紫外線・温度の変化などに弱いため、時間が経過するにつれてだんだんと劣化していきます。たとえ溝が残っていたとしても、以下のような状態になっていたら、交換時期です。
- 溝の間にしわがある
- タイヤの側面に細かなひび割れが複数ある
- 亀裂が入っている
そのまま使い続けるとバーストする危険性もあります。現在のタイヤは上記の状態になっていないか、しっかりと確認してみてください。
バイクのタイヤ交換、店舗に依頼するのと自分でやるのと、どちらがいい?
バイクのタイヤ交換には、前述したとおり、「店舗に依頼する」方法と「自分でやる」方法の2通りがあります。
以下、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット | デメリット | |
店舗に依頼する方法 | ・技術ある人に任せられる ・手間がかからない |
・店舗や時期によって金額が大きく変動する ・混み具合によっては予約が必要だったり、1日〜2日かかる |
自分でやる方法 | ・道具を一通り揃えれば、あとは工賃がかからない | ・労力や手間がかかる ・知識や体力が要る |
店舗に依頼すれば、自分でやる手間や労力が省けますし、なによりも技術のある人にやってもらえる安心感があります。ただしシーズン時期で混んでいると予約が取りづらかったり、車種によっては1・2日かかるケースもあります。
自分でやる場合は、最初に工具を揃えたりやり方を覚える必要がありますが、コツや要領を掴めば、難なく交換できるようになります(体力が要りますが…)。
ただし、タイヤの幅が大きくなるとホイール取り外し作業がその分大変になるので、大きめのタイヤの場合は、店舗に依頼したほうが無難でしょう。
タイヤ交換を店舗に依頼する場合
店舗に依頼するときの費用
依頼した店舗でタイヤ購入 | 依頼した店舗でタイヤ購入 | タイヤ持ち込み | タイヤ持ち込み | |
スクーター | スクーター以外 | スクーター | スクーター以外 | |
フロント | 2,000円~4,000円 | 3,000円~5,000円 | 4,000円~5,000円 | 5,000円~8,000円 |
リア | 3,000円~5,000円 | 4,000円~6,000円 | 6,000円~8,000円 | 6,000円~10,000円 |
タイヤ交換を店舗に依頼する場合、その店舗で購入したタイヤであれば通常工賃よりも安くなるサービスが多いです。
また、フロントタイヤかリアタイヤかで工賃は多少変動しますが、前後同時に依頼するとセット割引で安くなることもあります。
タイヤ交換工賃以外にも、その他の工賃費用がかかる場合もあるので、料金はしっかりと確認しておきましょう。
タイヤ交換工賃以外の費用 一例
項目 | 内容 | 工賃相場 |
---|---|---|
タイヤ廃処分料 | 古いタイヤを処分してもらうのに必要な料金です | 300円前後 |
エアバルブ交換 | エアバルブとは、タイヤに空気を入れるときの入り口となる部品です。 タイヤを外したときしか交換できないので、一緒に交換をおすすめされることが多いです。 |
3,000円前後 |
窒素ガス充填 | 窒素ガスを入れることで、通常の空気よりも持ちがよくなります。 | 0〜500円前後 |
タイヤ交換工賃を安くしたいなら、セット割引やセール期間を狙おう
バイクシーズンとなる春・秋ごろになると、とくにバイク用品店では「タイヤを購入すると交換工賃無料サービス」「タイヤ交換の前後セットで◯%割引」といったセールが多くなります。
交換工賃を少しでも安く済ませたいなら、こうしたセール期間をチェックしてみましょう!
ただし店舗によっては、混み具合によって事前予約が必要となったり、時間がかかったりする場合もあります。いきなり店舗へ依頼する前に、事前に問い合わせしてみると良いでしょう。
タイヤ交換を自分でやる場合
バイクのタイヤ交換は、工具を揃えれば自分で行うことも可能です。最初は慣れなくて苦労すると思いますが、コツを掴めば簡単に交換することができます。
主に必要となる道具
工具名 | 説明 | 相場 |
---|---|---|
バイクスタンド | センタースタンドがなければ用意しましょう | 3,000円〜5,000円 |
ビードブレーカー | ホイールを外すのに使用します | 2,000円〜6,000円 |
タイヤレバー | ホイールを外すのに使用します。3・4本あると便利です | 2,000円〜 |
リムプロテクター | ホイールに傷がつかないように保護するプロテクターです | 1,000円〜 |
ビードワックス | ホイールをはめ込みやすくするための潤滑剤です | 1,000円〜 |
タイヤ交換の手順
以下では、タイヤ交換の手順を簡潔にご紹介します。
【1】バイクからホイールを外す
ホイール周りについている部品(フロントならスピードメーターケーブル・リアならマフラーなど)を、最初に取り外します。
それから、チェーンアジャスターボルトを目一杯ゆるめて、ホイールを外しましょう。(アジャスターボルトの位置や取り外し方は、車種によって異なることがあります。サービスマニュアルなどを参照して確認してください)
【2】ビードブレーカーでビードを落とす
ホイールが外れたら、タイヤの空気を抜きます。その後、ビードブレーカーでタイヤのビード(※)を落としていきます。
(※ビード … ホイールとタイヤの結合する部分。詳しくは→ダンロップ公式HP)
【3】リムプロテクターをセットし、タイヤレバーを使ってタイヤを外す
プロテクターをしっかりとセットしたら、レバーを使って、手動でビードを起こしていきます。そのときに、タイヤの上に乗るようにして、膝で反対側のビードを抑え込むようにしましょう。
反対側も同じ手順でやると、ホイールからタイヤが外れます。
【4】ビードワックスをホイール・タイヤのビードに塗る
はめ込みやすくするために、ワックスをホイール・タイヤの両方に塗ります。
石鹸や洗剤などでも代用できますが、ワックスのほうが塗りやすいのでおすすめです。
【5】ホイールにタイヤをはめ込む
あとは取り外すときと同様に、リムプロテクターとタイヤレバーを使用して、ホイールにビードをはめ込んでいきます。
一番最初のはめ込みは、ホイールの上にセットしたタイヤの上に体重を乗せるようにしてやると、すんなりとはまります。あとは膝や体重移動を駆使しながら、ビードがはずれないように作業をしていきます。
ある程度はめ込んだら、あとは空気を入れることによって、ピッタリとはまります。あとはホイールをバイクに取り付けて、タイヤ交換は終了です!
タイヤ交換時の注意点・コツ
傷防止のためにも、リムプロテクターを用意しよう
ビードからリムを外したり取り付けたりするのに、レバーを使用します。そのため、どうしてもホイールには傷がついてしまいますから、傷防止のためにもプロテクターは用意しましょう。
プロテクターがなければ、タオルやゴムホースなどで代用することもできます。
何度か経験すると、ビードの外し方やはめ方が分かるようになる
はじめてタイヤ交換をするときは、ビードをリムから外したり取り付けたりするのに、とても苦労すると思います。ですが何度か経験していくうちに、自然とやり方が身についていきます。
コツとしては、作業をしている反対側のビードが浮き上がったりしないように、膝を上手に使って固定させることです。
慣れるまではとても時間や労力がかかりますが、コツさえつかめば大丈夫。「自分でバイクを整備したい!」と思う人なら、ぜひチャレンジしてみてください。
ただし、やり方や手順はしっかりと守るようにしてください。またホイールをバイクに取り付けるときは、しっかりとボルトなどで固定させるようにしましょう!
まとめ
以上、バイクのタイヤ交換について、紹介しました。
タイヤはバイクの足ですから、すり減ったまま使い続けると、事故の原因となって危険です。交換時期だと気づいたら、すぐに交換するようにしてください。
店舗に依頼するなら、シーズン時期の4月〜5月・9月〜11月ごろを狙いましょう。セールを展開している店舗が多いので、お得にタイヤを交換してもらえますよ。
自分で交換するのなら、体力や時間に余裕があるときに作業すると良いでしょう。慣れないうちは苦労すると思いますが、一度コツをつかめば、簡単に交換することができます。
タイヤ交換の際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。